御幣島とプジョー

大阪市西淀川区に御幣島と言うマイナーな駅がある。歌島橋交差点という五叉路が駅上にあり、大阪市街と神戸方面や豊中方面などを結ぶ要所に位置している。

名前の正確な由来は知らないが、あの辺りの地名には島が多くついていて、淀川など多くの川に挟まれた中洲に位置していることが由来だと思う。部落と呼ばれる地域があの辺りに多かったこともあって、古くからの大阪人には評判の悪いエリアだったりもする。実際は駅前にエンタメが全く無いことを除けば、生活しやすい街ではあった。

大阪中心部へのアクセスはとても良くて、どこに行くにも便利だった。職場の最寄りは北新地駅で、そこから新福島、海老江、御幣島と3駅で15分7分くらい。自転車だと30分以上はかかったので、距離は結構あったような気がする。とにかく淀川を渡る橋がとんでもなく長くて、風の強い深夜に自転車で通る時は、欄干を越えて真っ黒な川に吸い込まれるような錯覚を覚えた。

その御幣島に2012年4月から2014年5月までの2年間住んだ。
恐ろしいほどロクでもない2年間で、思い出すのはしょうもない思い出ばかり。仕事も、なにもかもが中途半端で、あの頃からちょっとずつなにかがボヤケてしまったような気もする。

そんな日々のことを、少しだけ思い出してしまったのは、プジョーを手放すことにしたから。あのなにわナンバーとのお別れが名残惜し過ぎて正直辛い。オーナーが仕事ばかりしていて、ほとんどを駐車場で過ごしていたのだが、あの黄色のボディはいつでも気分を上げてくれたし、天気の良い日や夏の夜のオープンは本当に最高だった。

御幣島での暮らしがあまりに“おもんない”もんだから、少しでもテンションを上げようと車に乗ろうと決めた時、ほぼ迷うことなく選んだのが黄色のプジョー306ガブリオレだった。いつの頃からか忘れたが、憧れの車だったから。

購入したお店は横浜にあるプジョー専門店。ここがホントにハズレなお店で、かなり酷い状態で納車され、速攻でエンジンオイル、パワステオイルが漏れまくり、左後ろの窓を下げると上がらなくなる、O2センサー不調で不動になる、などの不具合が発生。古いクルマなので仕方ない部分もあったけど、コツコツと直して乗りました。

大阪はもちろん、神戸や京都、三重、和歌山、四国、遠くは九州まで。直進性が抜群で、どこまでもまっすぐに、猫足でしなやかに滑るように走った。

あのグレースケールな御幣島暮らしの中で、あの黄色いプジョーは、その気になれば俺はどこにでも行ける。そんな自由な気分にさせてくれていたんだと思う。

今思い出しても後悔だらけの人生の中で、鮮やかな黄色いプジョーと過ごした日々を忘れることは一生ないだろう。ありがとう、さようなら。

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2 thoughts on “御幣島とプジョー

  1. ゆゆ

    素敵なお話ですね。
    現在、仕事の都合で一時的に御幣島暮らしなので親近感もあり、読み耽ってしまいました。
    ちなみに、JR東西線での北新地までの乗車時間は7分ほどですよ!海老江の前後が長いせいで、実際よりも長く感じちゃいますよねー!(つω`)笑

    返信
    1. turtle88 投稿作成者

      滅多にコメントがつかないので、お返事遅くなってごめんなさい。
      御幣島懐かしいです。
      北新地まで7分でしたか〜、本数が少ない関係か、もうちょっとかかるイメージでしたが、失礼しました。

      ブログには書きませんでしたが御幣島の「和食屋さと」がおすすめです
      (関西では有名なチェーンですが関東にはあまりないです)。
      独りでも鍋が食べられるのでスシローと共にいつも通ってましたね、

      一時的であれば、是非後悔することないように、大阪ライフを楽しんでください!

      返信

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