月別アーカイブ: 2015年6月

広告のお祭りの終わりに

先週は広告業界最大のお祭り「カンヌライオンズ2015」だったんですね。
私はいちおう業界のど真ん中の会社に席をいただいていて、周りにもライオンホルダーがちらほら。

最近はFacebookなんかもあまり開かないんですが、たまたま開いたらけっこう皆さんカンヌに行っていたみたいで色んな投稿が飛び交ってました。所属する部でもヘルスケア部門のブロンズ取った人が出ました。

そんな環境だから、なんか自分でもいつか手が届くんじゃないか、とか
現業で努力していればチャンスが巡ってくるんじゃないか、とか思いがち。

この業界にいて、賞を獲りたいと思っていない人はほとんど存在しない。
たまにいたりするけど、本気で言っているとしたら一秒でも早く業界を辞めるべきだと思う。
業界以外では無意味かもしれないけど、本質的ではないかもしれないけど、最高で最大の評価基準であることは間違いないし、商業アート自体が本質的でないという事自体は否定しないけど、それらがコミュニケーションのひとつの形だとして、不特定多数の誰かの評価や相対的な評価なしに語ること自体が無意味だと思うからだ。

クリエイティブやコミュニケーションを生業にしているってことは、少なからず社会に対して自分の価値観やセンスで何か少しでも影響を与えたいし、与えられると信じているってことになる。そこに一定の責任を持たなければならないのだと思う。無自覚にいてはならないと。

この世に生まれてきたからには、一瞬でも自分の人生の瞬間を世の中に対して刻んでやりたい、足跡を残してやりたいと、たとえそれが完全な自己満足だったとして、非難されても、この感情から来る動機を完全否定できる人がどれだけいるか。少なくても自分はそうだ。

いつからか、この業界に身を置くようになって、近いようで遠い場所にいて。毎年ボーっと傍観するだけの日々で消えかけてはいるけども、ボソボソくずぶっている。
そろそろ完全に諦めないと取り返しがつかなくなる。少なくても目指すならここにいてはいけないんだってことは完全に気がついていて、気がつかない振りをしている。

諦めるってことは辞めることだから、どっかで踏ん切りつかずに、流れに身を任せてしまう。
自分を信じてあげたいけど、ダメなもんはダメ、能力だけの問題じゃない。

なんてことを考えていたら日付が変わって、明日で37歳。
自分で決めた期限を2年も過ぎてしまった。

お祭りは終わらせるのも意外と大変なんだなーと。