今日の横浜線で出勤時の出来事。
ホームに下りるとすぐに電車が来ていたので、急いで飛び乗る。
ぱっと車内を見渡すと、ドアの近くにひとり女の子が立っていた。
そこまで大きくないけれど、モデル風のスラッとした体形に、
雑誌から飛び出てきたようなお洒落が目を引いた。
長い髪ごとマフラーを巻いて、うつむき加減の目は切れ長で、気の強そうな印象を受けた。
電車が乗り換え駅に近づくと、急にひとりの男が女の子の前に立った。
顔を真っ赤にして、立った男はスーツ姿で30歳前後くらいの普通の大人しいサラリーマンという感じの人だ。
差し出した手には折りたたまれた手紙のような物が。
聞き取れなかったが、何か一言二言話しながら手紙を渡す男、
「はぁ?」という顔をしつつもドアが開いた勢いもあり、手紙を受け取る女の子。
女の子も僕も電車をそこで降りたのだが、
手紙を渡すサラリーマンの真っ赤な顔や、小さく折りたたまれた手紙の印象が強烈だった。
握り締められていたのか、ちょっと汚い感じに見えるその手紙が男の想いを代弁しているかのように思えて、なぜかこっちが恥ずかしくなった。
普通に考えれば、電車で出会ったかわいい女の子に一目ぼれしたサラリーマンなのだが、あまり普段見ない光景だけに想像が膨らむ。。。
もしかしたら売れないスカウトマンかもしれない。
「き、君をスターにしてみせる…」そんな風に言い出しそうな勢いはあった。
でも、それなら名刺を渡すか。。。
もしかしたら、
「僕は君の本当のお父さんだよ」とか。
う~ん、年齢から考えると無い線か。
実はなにかのスパイで、
「君への次の指令はこれだ。」みたいな。
女の子が目立ちすぎだし、顔を真っ赤にするはずがない。ありえない。
あ!ひょっとして、
「このメモ落としましたよ。」とか。
う~ん、ありえなくはないが、ドアの横に立ってたしな~。。。
あの手紙はどうなったんだろう。
電車降りると同時に捨てられる可能性もあるし、とりあえず中身は一度確認してもらえるかもしれない。
携帯やメールアドレスがあれば、暇で連絡するかもしれない。
意外と真面目な彼の言動に惹かれて、今の遊び人の彼氏との間で揺れるかもしれない。
彼女は、どんな女だろう。
いくら可愛くても、電車内でいきなり手紙を受け取るような機会は何度もないはずだ。
その衝撃はいかほどか。
嬉しさ20%怖さ30%ドキドキ50%くらいの気持ちで、折りたたまれた手紙を開くのかもしれない。
開いたときから、何かが始まるのかも。。。
サラリーマンの彼は、今頃仕事が手につかなくてミスを連発してるはずだし、
女の子の友達の間では、この話題がちょっとしたブームになっているはずだ。
ドラマみたいな出来事は、なさそうで意外とあったりする。