アンリ カルティエ=ブレッソン 「こころの眼」

92061

アンリ カルティエ=ブレッソン。
以前、自伝映画を見た時に感銘を受けて以来、好きな写真家で、
タイミングよく銀座で写真展がやっていたので見ることにした。

この日の銀座は快晴で真冬にしては暖かく、
気持ちの良い日だった。
歩行者天国を歩く人達の足取りも軽く見えた。

写真展は想像以上に点数も多く、
非常に充実した展示だった。

世界中の決定的瞬間を収めた写真の数々。
そのどれもが、流れる時間の中でその瞬間だけの美しい構図を切り取られて、
今、目の前に存在している。
奇跡のような瞬間は、きっと誰の目の前にも起きていて、
それを感じることが出来る感性を持ち合わせている人にだけ
それが見えるのかもしれない。

当たり前のことなんて何もなく、全てがこの瞬間の連続で、
日々の素敵な出来事や感謝の気持ちもきっと同じように、
大切な決定的瞬間だったはず。

それを感じられていただろうか。

目が濁り、心が曇り、優しさを忘れていたのではないだろうか。

自分の「こころの眼」について、
自問自答を繰り返した。
明確な答えは出ないまま、あるのは現実だけだった。

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